[ 明日の向こう側へ ]

[ 女神異聞録 ペルソナ ] BE YOUR TURE MIND.
VS 最終部隊。
「おいでなさい...」
 人の噂が本当になる、珠?瑠市を襲った異変の中、元エミルンの生徒達は街の人々を助けるべく、市内を掛け回っていた。噂がラストバタリアン、ドイツ第三帝国の最終部隊を呼び出したのだ。
 エリーは途中別れた友人達と同じように怪我人を助け、現代に甦ったナチスの亡霊と戦っていた。
 単独行動を取るという事はちょっとした気の緩みが致命傷となる。それをエリーは少し不安に思っていったそんな時。
「くぅ...」
 攻撃を受けバランスを崩した彼女は誰かの腕に抱えられるのを感じた。
「ペルソナー!」
 青年はエリーを庇うように抱き寄せると、裂帛の気合いを発した。
『愚者カマクラゴンゴロウ』
 彼に重なるように歌舞伎役者にも似た男が現れる。
『メギドラオン』
 圧倒的な熱量が兵士達を一瞬で灰と化していく。
「...大丈夫か?」
「......Ryo?」
「久しぶりだ、エリー。...怪我、直せるか?」
 諒が今現在持っているペルソナは残念ながら攻撃系ばかりだった。
「うん。でも、このくらいなら傷薬で大丈夫」
 エリーが鞄から取り出したそれで、諒は彼女の傷を治していく。
「...本当にRyo?」
「ああ、南条から連絡を貰って帰ってきた。またこんな事件に巻き込まれるなんて、俺達の人生は波乱に満ちているな」
 立ち上がるエリーに手を貸しながら、諒は苦笑いを見せた。
「今回はどこへ行っていたの?」
「東ヨーロッパ。なかなか面白い話が集まった」
 諒はエミルンを卒業した後、暇を見つけては世界中を旅していた。
「元気そうで安心した」
 前にも増して精悍になった彼を見て、エリーは今までの不安が消えていくのを感じた。
「他のみんなは?」
「他の地区で戦ってるわ。後で落合う予定になってるの」
「じゃ、俺達も行こうか」
 諒の差し出し手にエリーは躊躇を見せなかった。いつだって彼女の期待を裏切らなかったその手をとる。
 そんな二人の前へ、新たな一団が現れる。
「いくぜ!」
『魔神アメン・ラー 終焉の碧』
「Come here...」
『大天使ミカエル マハコウハ』
 二人は微笑み合うと、何者にも負けない意思の力を発動させた......