[ 高機動幻想 ガンパレード・マーチ ] それが世界の選択だから。
それがすべて。
それがすべて。
世界がどうなろうとかまわない。
幻獣であふれようと、人類が勝利を納めようと、どうでもいい。
でも......
「私の主は私のみ。文句があるなら、戦おう」
最初に惹かれたのは、その瞳。
ただ生きてきた僕とは違う、光があったから。
「三百の首を狩れ」
彼女の言葉が何を意味するのか、あの時の僕には分からなかった。
でも、彼女が望んだ。
それがすべて。
あの熊本城の激戦を生き抜き、手にしたのは黄金剣翼突撃勲章。
これで撃墜数が三百を越えれば、僕は友達と思っていた人たちにも恐れられる存在になるだろう。
それでも僕は目指そう。舞うように敵を狩る、人であって人でないものを。
君が望むなら、僕は世界だって護れるよ。
世界が、人類がどうなろうと、僕にはどうでもいい。
でも、僕の大切な心優しいカダヤが、弱い人々を、世界を護る事を望むから。
僕は赤と黒だけが存在するあの戦場に立とう。
「厚志、こんなところで何をしている?」
「ん...? 空を見ていたんだ。今日はこんなに空が青いよ」
僕は守りたいものを手に入れた。
『史実』を必ず覆してみせる。
そして今度こそ、この大切な舞の側で、僕はぽややんと日々を暮らすのだ。